1995年の阪神・淡路大震災で自宅が全壊しました。
奇跡的に家族は無事でしたが、多くのモノを失うことによって、いろいろな意味で
“持つことのリスク”と“本当に大切なものはごく僅かしかない”ことに気付かされました。
その後入社した大企業では、新人にも関わらず、
組織的なしがらみや業務上の非効率さについて、よく上司に提言を繰り返しては
「生意気だ」と怒られていました。
見かねた部門長が外資系企業との合弁会社に出向を命じてくれたことが、
皮肉にも外資系コンサルティング会社を目指すきっかけとなりました。
外資系コンサルティング会社に移って最初に驚いたのが、
前職とは対極にあるその自由で合理的な働き方でした。
出社自由、座席自由、上司2人のマトリックス組織、ライブラリすら無い
完全ペーパレスな環境、パソコンをピアノのように弾きこなすITリテラシー等々・・、
見るもの聞くこと全てが驚きで、まるでSFの世界に出てくるような
“未来のワークスタイル”を目の当たりにして、大変ショックを受けたのを覚えています。
現在は経営者としていつくかの企業再生に携わっていますが、
この時身につけた「ロジカルシンキング」や「ITリテラシー」は今でも大変役に立っており、
本書で提言する「クラウド仕事術」の重要な基礎部分となっています。
これまで多くの悩めるワーカーの相談に乗ってきました。
仕事が上手くいっていないと感じている人の多くは、スキルや知識量が不足しているというよりも、むしろ自分でも気付いていない“仕事上のクセ”が原因である場合が少なくありませんでした。
人は無意識のうちに「思考のクセ」、「感じ方のクセ」、「行動のクセ」
といったものに支配されがちです。
ただ、クセから抜け出そうと思って急に「思考」や「感じ方」を変えようとしても、
なかなか上手くいかないものです。
。そういう場合には、まず“行動”を変えてみることです。
“行動”を変えることによって、体のスイッチが入り、それによって「思考(頭)」が変わり、最終的には「感じ方(心)」まで変わってくることでしょう。
本書ではこの新しい仕事術をなるべく多くの人に体感して頂くために、
ITリテラシーに自信が無い方でも、違和感無く取り組めて、効果が出やすい技術を中心に
取りまとめてみました。
本書がみなさまの“行動を変えるきっかけ”となり、うち一つでも成果に繋がって、
考え方や気持ちに変化が表れれば、著者としてこれ以上嬉しいことはありません。
この本と共に、“新しい自分を手に入れる”第一歩を踏み出してみませんか?
カナリア株式会社 代表取締役 岡田 充弘